高校時代は、なんとなく絵に触れていたかった。
そしてわたしの家族は自由をとても尊重してくれていて
ありがたい事だったけれど
その自由によってわたしは
無限に広がる自由の中へと突入する。
いつもとても感謝している。けれど
自由を熱望していた両親
を不自由にさせてしまっているんじゃないかと
思ってしまう事と、自由と暮らしの間で葛藤し、果たして自由ってなんなんだろうと考える時も何度かあった。
そんな高校生のわたしは、父の友人の画家の村田先生に
絵を習わせてくれた。美しい絵画に
美しいモチーフ。今思えば本当に素敵な環境すぎる。今では村田先生のところで描いていた事だけで充分わたしのやりたい事に辿りついていたかもしれない。
だけど自由を認められた高校生のわたしは
見たことない事が見たくて仕方がない。
綺麗で安全な事が当たり前になりすぎていた。
そして夏と冬と東京に講習を受けにいかないと
いけない事がきっかけで、
まだまだ未熟で野生的な慣れ親しんでる
同学年といたいという気持ちがまさり
辞めてしまう。
その後わたしは現役で東京工芸大学の芸術学部のデザイン科に入学すると
村田先生は色鉛筆をお祝いにくれたのでした。
学生になったわたしは
さらなる自由あるいは自然を求めてバリ島に
大学の友達と出かけ、張り切ってその色鉛筆を
持っていくと、飛行機の中に置いてきてしまう。
この出来事はわたしを一段と自由のジャングルへと
迷い込ませることになった。